みうらじゅん氏の【キャラ立ち民俗学】(角川文庫)を読んで

 「サブカルの帝王」と評されているみうらじゅん氏といえば「ゆるキャラ」及び「マイブーム」という造語がメインストリームでも流行語になったのでご存知の方も多い事でしょうが、一般的にはあまり知られていない造語もたくさんお創りになられてます。例えば「うしろメタファー」「青春ノイローゼ」「確珍犯」「とんまつり」「仮性フォーク」等がその代表例でしょうが、そんな言葉を日常的に使っている人がいたら、それは奇人変人の類なのでじっくり観察してみると面白いかと思われます。あっ、どうも岩崎(♂)です。

 表の民俗学が柳田國男、裏の民俗学が赤松啓介だとしたら、今回ご紹介させていただく【キャラ立ち民俗学】(角川文庫)は「トンマの民俗学」と位置付けして間違いないでしょう。なんせみうらさんが日本全国(ちょっと台湾)を飛び回り、様々なトンマをサンプリングしてテキスト&イラスト化して発表しています。

 【キャラ立ち~】は4章立てで構成されていまして、第1章が「確珍犯」や「とんまつり」等の現代に残る土俗(仏像、天狗、土偶、道祖神等の現代に残るキャラ)、第2章は「フィギュ和」や「偽ネズミ」等の観光産業、第3章が「ゴムヘビ文化」で第4章が「地獄」に関する考察といった筋で話は進みます。

 第3章でのゴムヘビ収集や、第2章での「飛び出し坊や」の現地調査、全国に分布する黒川晃彦作の「サックス・プレイヤー像」の調査等は執念を感じる、というか、ノイローゼではないかと感じれる程の調査っぷりで尊敬に値します。

 なんせ第2章で紹介されている、和歌山県某地方の「笑い祭り」での神の依代役の「ストレンジ・メイク」をした安齋肇さんの写真だけでも見ていただきたい! これは是非見ていただきたい! 爆笑間違いなし! 祭りとは「バカになりきって心の底から楽しむ」事が出来る人が強いんだな~ と感じました。

 みうらさんといえば、仏像ファンとしても名を馳せています。現代の若い女性にもファンが大勢いる仏像や天狗や土偶は、メジャーシーンでの大スターといった感じでしょうが、道祖神や「飛び出し坊や」はまだまだ偶像界でもインディー感が拭えません。これからの活躍に期待したいところです。


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