子供の頃、小学校の図書室で、子供向け文学全集を読んで、大体の名作文学を読んだ気になっていたもんですが、よくよく考えたら、あれは子供向けにリライトされた本を読んでいただけで、ちゃんとした原本を読んでいないという事に気がついてしまいました。いい大人がこれではヤバいと思い、今、シェークスピアの『テンペスト』を読んでいます。
かつてロラン・バルトは、ヨーロッパの古典文学を〝欲情のエクリチュール〟と評したもんですが、確かにシェークスピアの文体は、ものすごくギトギトで、こってりとした印象です。ラーメンで例えるなら『二郎系』で、かつ、トッピングには「ニンニク増し増し、油も増し増し」といった感じです。もちろん、ギトギト・こってり系も美味しいですし、ファンも多いのでしょうが、今、僕が求めているのは、あっさり系の〝白いエクリチュール〟なのでございます。しかし、どういうわけか、時々こってり系も食べたくなります。シェークスピアやこってり系には「たまに体がどうしようもなく欲してしまう」という魔力が備わっているのでしょう。あっ、どうも岩崎(男)です。
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