最初それは、照明の光が映り込んだものだと思いました。しかしそれは、照明の角度と関係なく白く濁っています。ひょっとしたら目ヤニがひっついているのか？ とも思って数日観察したのですが、それは取れませんでした。
チャーリーの左目に、1～2ミリ角の白い何かが‥‥
私はチャーリーが白内障を患った可能性を考え、病院へ行くことにしました。キャリーバッグのベルトをたすき掛けにかけ、バッグの中のチャーリーの重さを肩に感じ「いざという時は、私がチャーリーの目として生きていこう」という決心と共に。
病院では犬や猫の鳴き声が待合室まで響き渡っています。チャーリーもやや不安げな様子。
そんな中診察室によばれ、先生に事の顛末を説明し、診察をしてもらったところ、
「白内障じゃないですねぇ～」
「‥‥えっ!?」
完全な肩透かし（というか猫だまし）です。私の心は土俵際。思わず白目をむきそうになりました。
青目の高齢猫は白内障になる、という先入観から、私は重い重いチャーリーを一生懸命病院まで連れて来ました（と申しましても、徒歩3分くらい）。せっかく来たのだから、聴診器などを使って基本的な検査をしてもらい、体重も測ってもらう事に。さぁ、仕切り直しだ!! 時間いっぱい、待ったナシ!!
「10年前より0.8キロ増えてますね～。体に異常はなさそうです」
「‥‥えええっ!?」
2名の女医さんに、よってたかって診察という名の〝かわいがり〟を受けた挙句、〝注射〟無しで完全に寄り切られた形です。
チャーリーが前回病院に来たのは、抜歯をした10年前のこと。それ以来…、もりもり元気に太っただけ!? って、当家は相撲部屋か!?
私はただ、重いデブ猫を病院に連れ、移動しただけでした。目の白いのは、おそらく引っ掻き傷的なものだから、自然治癒（経過観察）という方針で薬も出ないという有様です。
待合室では両隣に座った妙齢なお年頃のご婦人方から「かわいですね～」とか「洋猫ですか～？」とか話しかけられたもんですが、10年ぶりに病院に来た結果〝ただ太っただけ〟というトンマなエピソードを聞き出されたら恥ずかしいと思い、私は天気の話などで話題を逸らそうと必死です。
受付から「チャーリーく～ん！」と呼び出しを受けた私とチャーリーは、さっさとお会計を済ませ、この場から脱出しよと思ったもんですが、受付から響き渡る「本日のお会計、600円になりまぁ～す」。ろっろっろっろっ、ろっぴゃくえん!? たったのろっぴゃくえん!? そりゃ、そうだよな…。なんの治療もしてないし、薬も出てないんだから…。
待合室にいるご婦人方からの「600円？」「こいつ何しに病院来たんだ？」という心の罵声をヒリヒリと背中に感じた私は、今日のお昼は何食べようかな～？ と、現実逃避をしつつチャーリーと共に帰路につくのでした。そうだ!! ちゃんこ鍋にしよう!! あっ、どうも岩崎（チャーリーの飼い主）です。
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