今回ご紹介させていただく【知の果ての旅(新潮社)】は世界的ベストセラーになった【総数の音楽】を書いたマーカス・デュ・ソートイの最新作なのですが、理数系音痴の僕には正直難解でございました。ただ、知識欲は満たされた気がします。あっ、どうも岩崎(♂)です。
マーカス教授はオックスフォードで教鞭を執る傍、「科学啓蒙のためのチャールズ・シモニー教授職」というポジションをリチャード・ドーキンスの後を受けついで、僕の様な「音痴」な人間にも分かりやすく科学を説明する活動をしています。もっとも、「科学啓蒙のためのチャールズ・シモニー教授職」は進化論や地動説を否定する狂信的論者から科学を守るという「騎士」の側面が強い気がします。
今書は「何を知らないのかを知る」というテーマのもと、数学、物理学、宇宙論、哲学等について、過去の説から最新の論までが説明さてれいますが、自慢じゃございませんが、「音痴」な僕は “ フェルマーの最終定理 ” や “ ポアンカレ予想 ” なんぞは1ミリも分かりません! 一般相対性理論と特殊相対性理論では、どっちが重力の話でどっちが光の話かすぐに忘れます。
そんな僕でも何となく理解出来た気がした(あくまでも気がした)のは “ 数学的カオス ” です。カオスといえば、ギリシャ神話では『原初の混沌』ですが、“ 数学的カオス ” は『予測できない』です。どんなに精密で高性能な「サイコロ振りロボット」がいたとしても “ 数学的カオス ” のせいで、次に出るサイコロの目は『予測できない』のです。自分なりに分かりやすく説明をさせてもらいますと、10人の気象予報士がいたとします。その10人は最新のコンピュータと、過去に蓄積された全ての気象データを持っています。その10人に明日の天気を予測してもらうと同じ答えが返ってきます。ところが、1週間後の予測になると10人の答えに「ブレ」が生じてきます。1ヶ月後の予測になるとさらに「ブレ」が大きくなります。この「ブレ」が “ 数学的カオス ” です。ピーン!ときた人もいるでしょうが、そうです、例の「カリブ海の島に生息する一匹の蝶々の羽ばたきが原因で、アメリカ大陸に猛吹雪が来る」可能性だってあるんですよ〜ん。
実はこの本、先日新幹線移動中に読んでいたのですが、車中に置き忘れてしまいました。
JR東海に問い合わせてみたら “ 東京駅忘れ物承り所 ” へ届けられていました。親切な人がいることを「知りました」。
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