ボンボンボンジュ~ル。ワイン飲んでますか!? ガブガブ飲んでますか? 僕の住んでいるエリアは「リトルパリ」や「プチフランス」と評される位にフランス人が多いです。そんな訳で僕もフランス人とじゃんじゃんワインを飲んだりします。あっ、どうも岩崎(♂)です。
今回ご紹介させていただく本はイレーヌ・ネミロフスキーの【孤独のワイン】という本です。
【孤独の~】はタイトルからイメージすると、ワインやグルメの事を語っていそうな感じがするでしょうが、ワインやグルメの事などは全く語っていません! 【孤独の~】は著者の幼年時代から21歳までを描いた半自伝的小説なのです。
半自伝的小説という事で、著者のプロフィールを簡単に説明させていただきますと、1918年にロシア帝国領ウクライナのユダヤ系の家で生を受け、ロシア革命時にパリに亡命。1929年に文壇デビューすると、その本が映画化されるほどの大評判になったそうですが、ナチス・ドイツ占領下、アウシュビッツで獄中死するという…。2000年代に入ってから遺品の中から未発表作が発見され世界中で反響を呼び、日本でも2012年の【フランス組曲(白水社)】以降10作品位が翻訳・出版されています。【孤独の~】の初出は1935年なのですが、日本での出版は2018年という、随分熟成させましたね~、といった感じです。
主人公 “ エレーヌ ” は確かに孤独です。父は金儲けに必死で、母は男遊びに必死。両親に愛されていないエレーヌは幼くして人生の不条理を知り、シニカルな性格になってしまいます。そんな彼女の唯一の救いとなる人物が、住み込みのフランス人家庭教師 “ ローズ嬢 ” です。
【孤独の~】ではローズ嬢とフランスが過剰に美化されている気がします。確かに今でもパリはオシャレの発信地。革命前のロシアのブルジョアジーも、こぞってパリのファッションやカルチャーを模倣した事でしょう。フランス人家庭教師を雇うのもステイタスだったのかもしれませんね~。
僕が「リトルパリ」で知り合ったフランス人は、アニメとゲームが好きで日本に来てしまったという面白人間なのですが、日本語を全く話せません。ちなみに、僕の言語能力は中学生英語レベルです。それが不思議な事に、ワインを飲みながら話しているとコミュニケーションが成立してしまうのです。
そのフランス人が「ひらがな」を勉強したいという事で、僕が装幀を担当した「お絵かきをしながらひらがなを学べる」絵本をプレゼントして、ひらがなをレクチャーしたもんですが、濁音・半濁音・拗音の表記の使い分けが難しいらしいです。
ワインも言語も人生も、熟成期間が必要なのでしょうね~。
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