にゃんにゃん探偵チャーリーの冒険 ~ドッペルゲンガー・第五章~

 先日、東京都美術館で開催されている『ゴッホ展 ~家族がつないだ画家の夢~』に行ってきました。どう考えても混むだろうと思ったので、昼時を狙って行ってみました。みんながランチを楽しんでいる時間なら、多少は空いているんじゃないかと思ったのです。しかし、その予想はあっさり外れました。入場口の前には、きっちりとした行列ができている始末です。まるでどこかの宗教儀式みたいに、静かで整然とした列でした。

 正直にいうと、僕は行列というものがあまり得意ではありません。特に美術館では、自分のペースで絵を見たいと思っています。人の流れに押されながら、なんとなく立ち止まり、なんとなく眺める――そういう鑑賞の仕方はどうにも好きになれません。

 ですから僕は、美術館を訪れる際には、シングルスコープを持ち歩くようにしています。掌にすっぽり収まるほどの、小さなシングルスコープです。それがあれば後方の、誰にも邪魔されない場所から、ゆっくりと絵を見ることができます。適度なスペースを確保し、自分の距離と時間で絵と向き合える。そういう鑑賞の仕方が、僕には合っているように思います。

 ただ、一つだけ問題があります。片目だけを長い時間酷使していると、どうしても目が疲れてしまい、視界が少し歪んで、世界の輪郭が少し見えにくくなる気がします。今後のために、オペラグラスを買ったほうがいいかもしれませんね。

 日本人は行列が好きな国民性だと思います。たぶん、「みんなが並んでいる場所が正しい」と信じているのでしょう。あるいは、「みんなと同じであること」に安心するのかもしれません。ニーチェの言表を引用するならば〝大衆〟や〝畜群〟、もしくは〝奴隷道徳〟といった感じでしょうか。現時点での高市内閣の支持率が82%というのも、同じ心理が働いているのかも(世論調査が八百長でなければ)しれませんね。

 でも僕は、少し違うやり方で楽しみたいのです。誰の真似でもなく、自分のやり方で。

 たとえそのせいで、世界の輪郭が少し見えにくくなったとしても、僕にとってはそのほうがずっと心地よいと感じれます。あっ、どうも。岩崎(チャーリーの飼い主)です。

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