「そりゃ、百年の恋も一気に冷めるわ!」という感情を皆様も経験したことがあると思いますが、あの「憑き物が落ちた」様な感覚は、マインドコントロールが解けた時の感覚と似ているのかもしれませんね〜。根が真面目で、ヒロイックな自分にウットリする様な青年将校タイプや信者タイプの性格な人ほどなかなか憑き物を落とすのは難しく、のちのち面倒くさい事(恋愛なんかでも)になるのでしょう。あっ、どうも岩埼(♂)です。
今回ご紹介させていただく本は一橋文哉〔著〕【オウム真理教事件とは何だったのか? 】 (PHP新書)というルポタージュです。サブタイトルは「麻原彰晃の正体と封印された闇社会」。
マンインドコントロールという言葉が一般的に使われる様になったのは、一連のオウム事件の報道からの様な気がます。麻原の弟子たちのトンチンカンな言動や、盲目的に麻原を信奉するマッドネスな姿にものスゴい不気味さを感じたもんですが、【オウム~】の裁判シーンを読む限り、教団幹部も取調べの段階ですでにマンインドコントロールが解けていた様で、裁判では麻原にガンガン反論しています。
まさに「憑き物が落ちた」のでしょう。
なんせ、【オウム~ 】ではオウム事件関係者をかなり緻密に取材しています。麻原の生い立ちから、日本~ロシア~北朝鮮の闇社会の住人、はてはCIAの内部文書までも! もちろん日本の捜査当局の幹部も匿名ながら取材に答えてます。
ちなみに、僕が一番手に汗握って読んだパートは、上九一色村の教団施設の強制捜査~麻原逮捕のパートでしょうか。「俺は今、スゴいミステリーを読んでいるのか!?」と錯覚してしまうほどスリリングな展開。実はこの時、陸上自衛隊も密かに治安出動の準備をしていたというから、マジでオウムやばかったんだろうな~。
さらに、一般的に知られていない事実として、教団草創期に麻原には3人のブレーン(教団幹部とは別)がいたそうなのですが、その中でも「神爺」とよばれていた人物が興味深い!
実はこの神爺、知能犯業界の中では知る人ぞ知る詐欺の名人。
その神爺が麻原に人を騙すテクニックを徹底的に教え、「長老」「坊さん」が教団のシステムや教義を作っていったのですが、結局この3人は後に麻原と袂を別つことに。もしもこの3人が…… とifを思ってしまいますよ。
また、村井が消された理由、 國松警察長官を狙撃したのは誰か、オウムの資金源と武器調達ルートなど、よくぞここまで取材したな~ と読んだ人は皆感心してしまうこと間違いナシ!
TVでは報道できない様なヤバい話も盛り沢山、面白すぎて読み終わりるまでは眠れなくなるので、休みの前日に読むことをオススメしますよ~ん。
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