にゃんにゃん探偵チャーリーの冒険 ~昔の女・第4章~

 この世でもっとも不気味な表情って、笑顔なんだと思います。もちろん、ちゃんとした笑顔じゃなくて〝作り笑顔〟のことです。

 本来なら笑顔って、人と人とのあいだをつなぐサインであって、親しさとか、ちょっとした安心感を伝えるもののはずです。でも、それが作りものとして浮かび上がったとき、笑顔はむしろ、いちばん怖いマスクに変わってしまいます。とくに精神的に不安定な人の顔にそれが張りついたとき、その笑みは「親しみの記号」じゃなくて、「狂気の象徴」みたいなものとして現れるでしょう。しかも、それが老女だったとしたら、それはもうホラーです。

 伝統芸能の能には「狂女物」というジャンルがあります。『隅田川』という演目では、子を探して川辺をさまよう狂女(シテ)が出てきます。舟渡し(ワキ)は彼女に「おもしろく狂って見せよ」と言います。ここでいう狂気は、ただの心理状態じゃない。観客に向けて演じられる、ひとつの「記号」です。

 で、現代政治を見ていると、僕はたまにそのときと同じ種類の身震いを覚えます。たとえば自民党総裁選の映像で、高市早苗候補が笑うとき。その笑顔は、親しみとか安心を伝えるものじゃない。むしろ『隅田川』の狂女の身振りみたいに、国民に向けて差し出された狂気として僕に迫ってきます。

 こういう感覚を持つ人って、たぶん僕ひとりじゃないと思うんですよね。あっ、どうも岩崎(チャーリーの飼い主)です。

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